2歳前後になると始まる子どものイヤイヤ期。
何をするにも「イヤ!」と返されるし、こじらせると収拾がつかないほどに泣かれてしまったり・・・。
この時期の子育ては親にとってはなかなかの試練ですよね。
成長の証、みんなが通る道、いつかは終わる、と頭ではわかっていてもこれが毎日だと、
どんなに愛しいわが子が相手でも、
ママだって疲れてしまったりついイライラしてしまうのはあたりまえです。
この記事ではイヤイヤ期のメカニズムについて、
主に2歳児クラスで保育をしている現役保育士が、詳しく解説していきます。
なにしろ2歳児クラスの子どもたちは全員がまさに『イヤイヤ期』の真っ最中‼
複数人の「イヤ!」が同時に発生したり、
それが子ども同士のトラブルに発展しかけるなんてことは、園では日常茶飯事です。
そういうことが保育室のあちこちで頻繁に起こっても、保育士は全く動じません。
「イヤ!」の理由やメカニズムを知っていることで、心に余裕が持てるからです。
むしろこの時期特有の言動がかわいらしくて、思わずほほえんでしまうくらい!
原因を知ることで、あなたも「イヤ!」への対応がほんの少しラクになるかもしれませんよ!
- 「イヤ!」と言う時の子どもの気持ちを知りたい
- イヤイヤ期とワガママの違いがイマイチわからない
- イヤイヤ期の育児を少しでもラクにしたい
イヤイヤ期の子どもの中で起きていることとは?
イヤイヤ期は、子どもが1歳半から3歳ごろにかけて見られる、自我が芽生え自己主張が強くなる時期です。 この期間、子どもは言葉の発達とともに自分の存在を認識し始め、「イヤ!」といった表現で自分の意志や思いを表します。
これは子どもがしっかりと成長している証拠であると共に、子どもの発達において非常に重要な時期です。
では、イヤイヤ期の子どもの中では一体どんなことが起きているのでしょうか?
自立心が強くなっている
1歳半~3歳頃の子どもは何にでもチャレンジしたくなる時期であると共に、
自分でできることが増えてくる時期でもあります。
これは子どもの自我が芽生えであり、成長の証です。
簡単な片付けや着替え、食事など、子ども自身の身のまわりのことに関して
「自分でやってみたい」という気持ちが強くなり、
大人に手伝ってもらわなくてもできるということを証明したくなります。
コントロール欲求が芽生える
この時期の子どもは、自分の環境や状況を思い通りにしたいという欲求が芽生えます。
けれど、できることが増えてきた一方で
本人が思った通りになんでもスムーズにできるわけではありません。
そのため欲求不満を感じることが多くなります。
言語能力の未発達
この時期は言葉の発達が急速に進む時期ですが、そのコミュニケーション能力は
まだまだ未熟です。
自分では「できる!」「やってみたい!」と思ったことでもうまくできなかった時に、
葛藤する気持ちや欲求を十分に伝えられなかったりします。
脳の機能が未発達
イヤイヤ期の子どもは、脳の発達がまだ未熟です。
感情や行動の抑制を司る重要な部分である『前頭前野』が未発達であるために、
自分の欲求や衝動をうまく抑えることができず、感情を爆発させてしまうことがあるのです。
【まとめ】 イヤイヤ期は発達の進みのアンバランスのため
上記のように、『イヤイヤ期』頃の発達の進みにはアンバランスさがあります。
言葉を覚えできることも増え、自我が芽生える半面、
感情をコントロールするための脳の機能が育つのはもう少し後になります。
これが子どもの『イヤ!』の根本的な原因です。
感情や行動の抑制を司る重要な部分である前頭前野、この部分が未発達であるために
子どもは自分の欲求や衝動をうまく抑えることができないのです。
イヤイヤ期には終わりがある
うまくガス抜きしながら少し気楽に子どもと過ごそう
イヤイヤ期は子どもの成長において重要な段階であり、あってあたりまえの自然なことです。
親のしつけや育て方が原因でおこることではありません。
感情のコントロールの発達が進み、思ったことを上手に表現できるようになれば
子どもの『イヤ!』は自然におさまってきます。
わが子が『イヤ!』と言って困った時は
脳の発達はこれからだもんねー
と、心の中で唱えてみてください。
それなら仕方ないと、不思議と気持ちがラクになりますよ!
イヤイヤ期は、大変ですが必ず終わりが訪れます。
とはいえ一方で、保護者も人間であるため日々のイヤイヤ期で疲弊してしまうのも事実。
上手に手抜きをしながらうまく乗り越えていきましょう!
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