一般的に2歳前後から子どもにあらわれる【第一次反抗期】、いわゆるイヤイヤ期。
- 自分の考えを強く主張して譲らなくなる
- 親の提案に対して必ず『イヤ!』と言って拒否
- あらゆる場面で、毎回反抗的な態度をみせる
『イヤイヤ期』は自我が芽生え思考力が成長する大切な発達段階です。
とはいえ、ここで間違えてはいけないのが、精神的に健康な成長のために必要なのは、
子どもが自分の考えや思いを表現することであり、
『イヤ!』と癇癪をくり返したりしたり、わがままを通すこと自体が重要ではないということです。
子どもに自分の思いの適切な伝え方を身に着けてもらうことが
この時期の子育ての目標になります。
そうはいっても『イヤ!』が続くと、気持ちに余裕が・・・
お気持ちよくわかります!
私もわが子の子育てでは思わずゲンナリしてしまったことがありますから。
でもだいじょうぶ!
この第1次反抗期を比較的楽に乗り切ることができる方法があるんです!
\この記事では、子どもの『イヤイヤ期』の状況がより大変になるのを防ぐ方法を解説します。/
前もって種まきをしておくことで、親子共に大変なこの時期を比較的ラクに乗り越えられるように
なるので、ぜひ試してみてくださいね!
イヤイヤ期をラクに乗り切るための事前対策 種まき法6選!
1.思ったようにうまくできない、への事前対策
何かをしたいけれど自分で想像していたようにうまくできない時に
『イヤ!』の癇癪が出ることがあります。
また、挑戦したい気持ちはあるものの、失敗を恐れて嫌だと思う時の躊躇の思いを、
『イヤ!』で表現することもあります。
これらによって発生する『イヤ!』を減らすには、下記に3つをしておくことが効果的です。
- 挑戦しようとし始めたことをほめる
- 挑戦している過程をほめる
- 結果にかかわらずほめる
わかりやすさから『ほめる』と書きましたが、
これは『認める』と言い換えることもできます。
- 『自分で〇〇してみようと思ったんだね!』
- 『靴下のここ自分で上手に持てているね!』
- 『がんばったね!』
- 『頑張っているのを見せてくれてうれしかったよ。ありがとう!』
など。
ここで大切なポイントは、
例えば、子どもが衣服の着脱などに挑戦した場合、本人には気づかれない程度にこっそり
手を貸したり補助するなどして、成功を体験してもらうことです。
成功体験と大好きな人に褒められることは、子どもにとって大きな喜びです。
次の挑戦への糧になりますし、くりかえすことで自己肯定感も高まっていくでしょう。
それにともなって、イヤイヤ期の終わりも近づきます。
2.まだこれをやりたい&今はイヤ、への事前対策
子どもが何かに興味をもっていたり、何かに夢中になっているときに
別の活動に誘導しようとするのは望ましいことではありません。
「まだこれをしていたい」という時には、大好きな人からのどんなに魅力的な誘いでも、
子どもにとっては「今はイヤ」という気持ちの場合があります。
そういう時に、優しい声かけであったとしても子どもが「しつこい」と感じると、
「今はイヤ」程度だったことが、イヤイヤ期特有の『イヤ!』という認識に変わってしまことがあります。
今しようとしていたのに
『〇〇しなさい』と誰かに言われたとたん、
それまであったやる気が下がることって、大人でもありますよね。
この場合は、子どもにしてほしいと思っていることをお母さんが行ってみてください。
ポイントは子どもの視界の範囲内で楽しそうにして見せることです。
子どもには子どもなりに、今していることへの一区切りがあります。
この子区切りまではどうしてもしたいと思っているものですが、
一区切りがつくとたいてい周りの様子が気になります。
そしてふと、視線をお母さんに向けたりします。
その時にお母さんが何か楽しそうなことをしていれば興味をひかれます。
このタイミングが大切です。
「○○ちゃんもやる?」とさりげなく聞いてみてください。
または、あえて誘いの言葉は使わずに、「はい、どうぞ。」などと、
まるで今までもやり取りをしていたかのようなそぶりで促してみましょう。
しないようであれば軽く返事をし、また少しの間楽しそうに遊んでみせます。
子どもが興味をひかれて手を伸ばしてきてくれたら、すかさず喜びましょう!
時間は要しますが、「イヤ!」の発作がおきた場合に比べれば、
かなり短い時間で事がスムーズに運びますよ!
3.それはイヤ、への事前対策
先ほどの「今はイヤ」という事柄は、子どもにとって『絶対にイヤ!』の類のイヤではなく、
タイミングさえ合えばスムーズにできる内容の場合ですが、
ここでの『イヤ!』は、子どもの中で「自分はこれが嫌い!」という認識が
すでに強くできてしまっている場合です。
よくあるのが歯みがきやお風呂、登園準備などですね。
これに関しては自我の発達が進む2歳頃までに『これが嫌い』と思わせるようなできごとや物を、
極力作らないことが非常に重要です。
歯みがきの時におさえつけられたり痛い思いをした、おふろがあつくてのぼせそうになったことがある、
また、無理矢理強制されたものは、嫌な経験から嫌いになったり拒否をしたりするようになります。
大人にとっては些細なことでも、子どもにとっては『あの時の不愉快な気持ち』を
思いだすカギになっていて、それが『イヤ!』につながってしまっている場合もあります。
ですので、のちのち『イヤ!』につながりそうな事柄に関しては、
はやい段階からその事柄が好きになるように、または楽しみになるように対策をしておきましょう。
くり返しになりますが、
これに関しては早い段階から対策をしておくことが一番効果的です。
私の子育てでは歯みがき時にキシリトールタブレットを活用しました。
奥歯の生える1歳6か月頃から使えますが、
我が家では粉状にしたり、小さく砕いて子どもに与えましたよ。
※キシリトールタブレットは商品によって、またお子様の発達段階でも使える時期などがかわってきますので、
よくお調べになってからご使用ください。
上記のキシリトールタブレットは、我が家の場合キシリトールの効果を得ることは目的にせず、
歯みがき前後の楽しみやごほうびとして利用しました。
おふろが『イヤ!』につながりそうであれば、入浴時にだけ遊ぶことができる特別なおもちゃを
準備しておいたり、
お着替えが苦手そうであれば、着替え後に『できたよシール』をカレンダーに貼るなど、
子どもにスムーズにしてほしいことと、楽しみになることを関連づけておくのがおすすめです。
4.子どもの『うまく伝えられない』ストレスを最小限に
子どもは思いをうまく表現できない時に、かんしゃくを起こしやすいです。
大人でも伝えたいことがうまく表現できないときには、もどかしく思うことがありますよね。
この、『こういうことを伝えたいんだけど、どう言ったらいいのかよくわからない』
という気持ちになる時に、子どもの『イヤ!』は起こりやすいです。
この場合の『種まき法』は、気持ちを表現する術を子どもにあらかじめ伝えておくことです。
- うん(YES)、ちがう(NO)など、うなずいたり首を振ったりのジェスチャーを普段から親子で使う。
- ちょうだいやほしいと手をのばしたり、こっち・あっちなど指や手で示す。
- 大人の手を引くことで来てほしい気持ちを表現できる。
など。
普段から親子であたりまえにしているコミュニケーションかもしれませんが、これがとっても大切なんです!
子育ての中の生活の中では、あたりまえに思える親子のジェスチャーでのやりとりですが、
これを『イヤ!』の事前対策として効果的にする大事なポイントがあります。
それは、子どもがジェスチャーで伝えてきたことを大人が言葉に変換することです。
たとえば・・・
イヤ!
はみがきいやなんだね
ねむいからいやだなぁ
ねむたいね。〇〇はまた今度にしようね。
〇くんをたたいちゃったのは、〇くんが私の使っていた
おもちゃを急にとったからだもん!
おもちゃ使いたかったんだよね。とられたのはイヤだったよね。
このように、子どものジェスチャーから伝わってきたことを、オウム返しのように言葉に
変換しましょう。
そうすることで、子どもの中に言葉のスキルが芽生えてきます。
すぐにお話することができるようにならなくてもだいじょうぶ!
大人の話していることがなんとなくでも理解できて、
子ども自身が『自分の思いが伝わった』と感じてくれたらそれで十分です。
これはのちの『イヤ!』を軽減するための種まきです。
言葉の習得が目的ではないので、ママの声掛けにうなずいてくれたり、ママの言葉が正しいと肯定のそぶりを見せてくれたら
『ラッキー』くらいの気持ちでオウム返ししてみましょう。
このパターンの『イヤ!』は、言葉の発達が進むにつれて減っていきます。
逆に言うと、気持ちを表現するスキルが育っていなければ、
年齢が上がっても癇癪を起してしまうことがあります。
言葉は慌てて習得させるものではありません。
ですが、いろいろなパターンの表現方法を伝えておいた分だけ、
のちに子どもの中で芽吹くスキルが増えるのは間違いありません。
そうなれば、子どももママも気持ちがラクになりますよね!
子どもがひっくり返って大声を出しているような時でも
気持ちを代弁してあげるべき・・・?
物にあたっていたり、良くない行動で表現しているときでも
子どもの気持ちを代弁したほがいいのかなぁ?
そこ!悩みますよね!
良くない行動を助長してしまいそうだし、
癖になったりしないかな・・・。
子どもが好ましくないことをしている場合は
ズバリ『それは良くない』と伝えましょう。
これは【悩むママ】の予想通りです。
子どもが適切ではない行動で何かを大人に訴えようとしている時は、
どんな場合でも、正しい方法をきちんと伝えましょう。
すでに『イヤ!』の発作が起きてしまっているタイミングだと、大人の言葉が伝わりにくいですが、
優しくスキンシップをとりながら、『かわいい声で教えてくれる?』と聞いてみてください。
ほんの少しでも大人の言葉を聞き入れてくれそうなそぶりが見えたら、
すかさずほめてあげてくださいね!
ほとんどできていないように感じても、子どもがほんの1ミリでも頑張ってみようとしていたら
それだけでじゅうぶんです。
『かわいい声でお話ししてくれてありがとう』
『教えてくれてうれしいよ』
『だいすき!』
など、直接的なほめ言葉でなくても、子どもが安心感や喜びを感じられるようなことを
お話してあげると良いです。
このパターンのイヤイヤは、言葉の発達が進み自分の気持ちを表現できるスキルが上がってくると
減っていきます。
逆に言葉の力が育っていなければ、
年齢があがってもてもこのパターンのかんしゃくを起こすことがありますので、
イヤイヤ期に関わらず、良いこととそうでないことは根気よく伝えるようにしましょう。
良くないことを『それは良くない』と伝えるのはとても大切なことです。
ですが、子育てでそれ以上に大切なのは、
大人が子どもに適切な方法をきちんと伝え続けること、
そしてほめることです。
5.『甘えたい』からくる『イヤ!』の回数を減らす方法
子どもが求めてきたときは、まずは受け止めてあげるのが正解です。
たっぷりスキンシップをとって充電し、「あら?あれ楽しそう!」とさりげなく視線を誘導してあげれば、
子どもは興味をひかれて、自然にお母さんの膝から離れていきます。
子育ては「急がば回れ」です。
甘えてくるたびに受け止めるとなれば手がかかりますが、
ここでたっぷりと子どもの気持ちを満たしてあげれば、結果的に自立がスムーズに進みます。
そうなれば子育てがいっきにラクになるでしょう。
また、後追いが強い場合は、「ママはここにいるよ」と声をかけて対応してみましょう。
後追いは、保護者との信頼関係を築いている段階によく現れるもので、強くても心配はいりません。
何度も繰り返し、そのたびにお母さんの言葉通り「ママはかならず戻ってきてくれる」
という確信を得ることで、この時期も卒業していきます。
今は、子どもの成長を応援していく時期。
求めてきたときはできるだけ受けとめ、おおらかに接することで、
子どもは安全基地があるとの確信を持ち、安定した心が育っていくでしょう。
6.寝グズり・空腹への事前対策
眠くなってグズグズする『寝グズリ』や、おなかがすいてご機嫌斜めな様子は、子どもにはよくあることですよね。
このような生理的な不快からくるイヤイヤやグズグズは仕方のないこととはいえ、
大人からすると、すぐに解消してあげることができず、なかなか厄介に感じてしまいますよね。
これへの事前対策の種まきは、ズバリ『この状況を起こさない』ということになります。
「え!?それって種まき???」という声が聞こえてきそうですが、
生理的欲求にたいしては、それを満たすことしか解決の方法はありません。
ですので、
- 限界まで起こしておく
- おなかがすききるまで食べる機会がない
という状況にならないようにしましょう。
園では、お昼寝時間前にどうしても眠そうにしている場合には
ほんの数分(5~15分)寝かせることがあります。
すぐに起こすことになりますが、その後意外とすっきりした表情で
過ごしてくれることが多いです!
空腹の場合であれば、昼食と夕食の間に小さなおにぎりやふかしたイモ類などを間食にしてみると
良いでしょう。
まとめ
親子ともになかなかキツイ『イヤイヤ期』。
『魔の2歳児』ともいわれるくらいの時期ですから、
ママやパパにとっては試練と感じてしまうこともありますよね。
この『イヤイヤ期』は、子どもにとっては健康な成長の証でもありますから、
『イヤ!』を完全になくすことはできません。
ですが、少しでもラクに子育てをすることは可能です。
また、イヤイヤ期はずっと続くわけではありません。
脳の機能が発達し、あらゆる面で成長してくると子どもは必ず落ち着いてきます。
一人で抱え込まず誰かに話を聞いてもらったり、
ときには子どもを信頼できる人に預けて自分時間を作ったりと、
うまく手抜きをしながらこの時期を乗り切っていきましょう。
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